2006年09月15日

李登輝氏の講演原稿

訪日延期 李登輝氏 講演原稿寄せる

【台北=長谷川周人】台湾の李登輝前総統(83)は9月に予定していた訪日を延期したのに伴い、その際に東京で行う予定だった講演の原稿全文を、「日本の若者、そして国づくりのためにお役に立ちたい」と、産経新聞に寄せた。李氏の寄稿の全文を8回にわたって紹介する。

原稿は、李氏が日本側の要請を受けて、訪日の成否が微妙に揺れていた8月中旬に執筆し、同下旬に台北市内で開かれた日本の自民党訪台団との会合で披露された。李氏はそれを骨格とし、さらに推敲を重ね、完成させた。

原文は、旧漢字と旧仮名遣いによる鉛筆書きの精緻(せいち)な文章で、政治色を排し、一語一句に80余年の人生に刻まれた日本への思いがにじんだものになっている。

李氏はこの中で、台湾統治を教育から始めた日本の植民地政策を、「世界にも例がない」と評価し、自らの実体験を踏まえて、「台湾人は日本教育を通じて世界の新思潮を知った」と指摘。さらに、「武士道精神に根ざした実践躬行(きゅうこう)の日本精神」を、「日本人本来の価値観として今一度想起してほしい」と訴えている。

執筆に向けて「若き日本人にメッセージを残したい」と話したという李氏は、今回の日本旅行で訪問を予定していた「奥の細道」ゆかりの地に抱く思いを特筆。「日本文化の優れた精神性と美学的情緒を何とか外国人や今の若い人々に伝えようと考えた」と訪問を希望した真意を明らかにしている。

李氏は当面、訪日を見送る考えであり、混迷する台湾政局への対応に専念するものと見られる。
(2006年9月14日付 産経新聞)



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日本の教育と私 −−−李登輝 @

    −培われた 生命と魂救う考え方−

ご来賓の皆様、こんにちは!ただいまご紹介を受けました李登輝です。

この春に体調を崩し、5月に予定していた日本旅行を見送ることになり、皆様にもご心配をおかけしました。しかし、医師の指示に従って静養を続けたところ、ようやくここまで回復し、ここ東京で皆様にお会いすることができました。

念願の「奥の細道」を訪ねる夢は、体調の問題もあって今回は叶いませんが、今日は「日本の教育と私」をテーマに、「奥の細道」に見る日本精神についてお話し、これからの国造りに役立てて頂ければと思います。

ご承知の方も多いと思いますが、1994年の春、歴史作家司馬遼太郎先生が『台湾紀行』の著作を終えて再度台湾を訪問なされました。その時、特に時間を作って私を訪れて、対談が行われました。

私はその時、家内に司馬先生との話はどんなテーマがいいかなと話したら、「台湾人に生まれた悲哀にしましょう」といいました。400年以上の歴史を持つ台湾の人々は、自分の政府もなければ、自分の国というものを持っておらず、国の為に力を尽くすことさえもできない悲哀を持っているからです。

1923年に生まれた私は今年で満83歳になります。そして台湾人に生まれた悲哀を持ちつつも、その一方で、外国の人には味わえない別の経験を持っていることは否めません。それは、生涯の中で多種多様な教育を受けたことです。22歳までは日本の徹底した基本教育、戦後4年受けた中国の大学教育とアメリカ4年間の留学です。

中国の4年間にわたる大学教育も、結局は日本人の教授による日本教育の延長でした。アメリカにおける戦後2回の留学は、職業的な面での教育でした。

台湾人に生まれた悲哀と言っても、このような多様な教育、特に日本の教育を受けていなければ、現在の私には、おのれの生命と魂を救う基本的な考え方は得られなかったと思います。日本という国の植民地でありながら、台湾は日本内地とは変わらない教育を与えられたが故に、非常に近代化した文明社会が作り上げられたのです。

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訪日は当面見送りですか。残念です。
健康は大事ですから、きっとまた訪日されることを願っております。


参考記事:I Love 台湾
posted by ippei_kagurazaka at 02:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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