2006年08月04日

こんな理不尽なことがあっていいのか〜埼玉県流水プール事故〜

私は高所恐怖症である。高いところが苦手な人間というのはその景色を眺めただけで、余計な想像を膨らませて勝手に怖がる節がある。というか私自身がそうで、この話を知人にしたところ、彼も同じだというから私の分析はあながち間違ってはないのだろう。

名古屋城の天守閣へ登る階段はらせん状になっていて、その中心は地上から吹き抜けになっている。最上階には鉄格子が頑丈に設置されており決して人が入ることはできない。その内側にぶら下がることになったらどんなに恐ろしいだろうなどと、あり得もしない状況を想像しては勝手に怖がってしまうのだ。

ついでに言うと、実は閉所恐怖症でもある。子供の頃、頭から布団をかぶせられた上、何人もの兄弟・従兄弟が覆いかぶさってきて苦しい思いをした体験がトラウマになっているのか、今でも暗く狭い空間に押し込められることに人一倍の恐怖を感じるのだ。

埼玉県ふじみ野市の流水プールで発生した痛ましい事故は、詳細が明らかになるにつれ私を恐怖のどん底まで引き落としていく。暗く狭い空間へ激しく流れる水とともに吸い込まれることなど想像したくない。瑛梨香ちゃんが吸い込まれた直後、母親が給水口に手を突っ込み体の一部をつかんだという。しかし通常時で秒速2.4メートルという膨大な水流の力に引き離されてしまった。

しかもこの事故は、鉄格子を針金で留めていたことに対してボルトが合わなかったからなどとサル同然の言い訳や、監視員の教育がされていないなどの管理不徹底のみならず、国の通達をよく読んでいなかったという市教委の職務怠慢ともいえる実態まで浮き彫りになった。

こんな理不尽なことがあっていいのか。

涙が止まらない。


関係各位には設備の点検・整備、危機管理体制の再確認など徹底的に事故防止対策を施していただきたい。

これは子を持つ親としての心の叫びである。



母親「娘の体つかんだ…」 埼玉プール事故

埼玉県ふじみ野市の市営プールで同県所沢市立小手指小2年、戸丸瑛梨香ちゃん(7)が流水プールの吸水口に吸い込まれ死亡した事故で、外れたふたを固定していた針金は切れた状態だったことが2日、県警の実況見分で分かった。吸水口のふたは過去にも外れていたことが明らかになり、県警はずさんな管理が続いた経緯について関係者から事情を聴くとともに、近く業務上過失致死容疑で関係先の家宅捜索に乗り出す方針。

≪水流で引き離され≫

瑛梨香ちゃんが流水プールの吸水口に吸い込まれた瞬間、母親(38)はプール内で娘のすぐ後ろに立ち、プールサイドに上がるため反動をつけようと潜る娘の姿を見ていたという。
「吸い込まれた!」。プールサイドで注意を呼びかけていた女性監視員が気づき、大声で叫んだ。直後に母親も娘の名を叫び、自分の腕を吸水口に突っ込んだ。
「瑛梨香の体の一部をつかんだ」と母親。しかし秒速2.4メートルの水流が母娘を引き離した。女性監視員もプールサイド上から腕を伸ばしたが、瑛梨香ちゃんに触れることはできなかった。「助けられなかった」と、母親は県警の調べに泣き崩れたという。
「子供が吸い込まれたらしい」。取り乱した母親と監視員の様子で事故に気づいた周囲の家族連れは、親たちが口々に自分の子供の名前を叫んで無事を確かめ、救助活動を見守ったという。
約6時間後に見つかった瑛梨香ちゃんは、吸い込まれた際に頭を強打したことで即死状態だったという。
(2006年8月3日付 産経新聞)



吸水口さく、ネジ固定は24カ所中6カ所 プール事故

埼玉県ふじみ野市の市営プールで小学2年の戸丸瑛梨香さん(7)が吸水口に吸い込まれて死亡した事故で、プールにあった三つの吸水口のさく6枚の四隅計24カ所のうち、ネジで固定されていたのは6カ所だけだったことが県警の調べでわかった。残りの大半が針金で留められていたが、3カ所はネジも針金もなく、ほかの吸水口でも同様の事故が起こり得る危険な状態だった。
調べでは、事故があった流水プールでは、それぞれの吸水口が2枚のさくでふさがれていた。さくは本来、四隅をネジで固定する構造だが、事故直前に外れた1枚を除く5枚のさくにネジは計6カ所しか取り付けられていなかった。残りのネジで固定すべき14カ所のうち、針金で留められていたのが11カ所、何もなかったのが3カ所。1枚は4カ所のうち2カ所が何も付いていなかった。
外れたさくについて、実質的に管理していた「京明プランニング」(さいたま市)の社員は、調べに対して「四隅を針金で固定していた」と話しているという。
ふじみ野市が00年以降の担当職員から事情を聴くとともに、業者が市に提出する01〜05年の「管理業務要望書」を調べたところ、ネジの購入希望はなかったという。
01年から今年までは6年連続で「太陽管財」(さいたま市)が受注、京明社に業務を丸投げしていた。
(2006年08月03日21時13分 朝日新聞)



「危険の認識欠けていた」流水プール死亡事故 下請け会社社長が謝罪 再委託契約「口頭だけ」
(2006年8月3日 埼玉新聞)


「上の指示がなければ監視員は動けない。事故当時の監視員を責めないでほしい」

このプールで監視員のバイト経験がある高校生がこう話している。彼は一体何が言いたいのだろうか。今日はこの辺でやめておくが、この言葉には重大な問題が含まれている気がしてならない。

posted by ippei_kagurazaka at 02:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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