2006年03月01日

張作霖暗殺はソ連軍の仕業

今夜は時間的に余裕があるのでもう一件。昨日の産経新聞に興味深い記事がありました。

張作霖爆殺「ソ連が実行」 =露の歴史家 友好こじれ…一度は失敗=

関東軍によって一九二八年六月四日,中国北部の奉天(現在の瀋陽)郊外で爆殺されたとされる奉天派軍閥の大元帥,張作霖。しかし,真相は,その反ソ連的姿勢に重大な脅威を抱いたソ連特務機関が手を下し,関東軍の仕業に見せかけた−。ソ連・ロシア特務機関の活動を専門とする歴史家,ドミトリー・プロホロフ氏はこのほど,本紙にそう語った。「日本による中国侵略の第一歩」とされる張作霖爆殺事件の“真犯人”はソ連なのか。だとすれば歴史を書き換えることになるだけに事件をめぐる議論は今後活発になりそうだ。(サンクトペテルブルク 内藤泰朗)

プロホロフ氏は,旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のプーチン大統領のおひざ元である古都サンクトペテルブルクで,ソ連崩壊を機に同国の特務機関について執筆を開始。これまでに十冊以上の専門書を著した。
同氏によると,日本の支援で中国北部の満州を支配した張作霖は二四年九月,武器援助などで中国に影響力拡大を図るソ連政府と「中国東北鉄道条約」を締結し,友好関係を結んだ。しかし,張作霖軍の鉄道代未払い額が二五年末に千四百万ルーブルに達し,ソ連側が抗議,鉄道使用禁止を通達すると,同軍はソ連鉄道監督官を逮捕し,事実上,実効支配。ソ連側はその反ソ連的な姿勢に加え,ソ連が支援した国民党の軍事作戦の相次ぐ失敗にいらだちを募らせ「張作霖暗殺」を決めた。
しかし,計画を未然に察知した張作霖側が二六年九月,暗殺命令を受けたソ連軍特務機関の工作員らを逮捕。暗殺は失敗した。ところが,ソ連側は,張作霖が二八年,反共・反ソの満州共和国創設を日本政府と協議し始めたために,暗殺計画を再度立案。実行責任者には,後にメキシコに国外逃亡した独裁者スターリンのライバル,トロツキーの暗殺にも深く関与した合同国家保安部諜報(ちょうほう)員,ナウム・エイチンゴンらを任命した。
張作霖を乗せた北京発奉天行き特別列車が同年六月四日,奉天郊外に差し掛かったとき,大爆発が起き,重傷を負った張作霖は十数時間後に死亡。事件は,極東国際軍事裁判(東京裁判)で関東軍元幹部が犯行を認める証言を行い,「日本の犯行」となった。
しかし,プロホロフ氏は「その幹部は戦後,ソ連に抑留され,ソ連国家保安省が準備した内容の証言をさせられた。日本が張作霖を暗殺しなければならない理由はなく,ソ連が実行した」と指摘した。インタビューの詳報は三月一日発売の「正論」に掲載される。

ドミトリー・P・プロホロフ 1961年3月,サンクトペテルブルク(当時レニングラード)生まれ。技師だったが,国立ゲルツェン記念名称教育大歴史学部卒。ソ連崩壊前後の80年代から特務機関をテーマに執筆を開始し,歴史作家として活動。著書に,「GRU(ソ連参謀本部情報総局)帝国」「ロシアの対外諜報」(いずれも共著)など多数。
(2006年2月28日付 産経新聞より)



ユン・チアン著「マオ・誰も知らなかった毛沢東」にも同様の記載があるようです。私はまだこれを読んでおりませんが,「ほそかわ・かずひこの BLOG」さまの記事に分かりやすい解説がありました。近現代の世界史の見方が変わるのでしょうか?なんだか面白くなってきました。「紫禁城の黄昏」の完訳が出たときのようにワクワクしております。ということで,早速「正論」と「諸君」を買いに行ってきます。


参考記事:ほそかわ・かずひこの BLOG 嵌められた日本〜張作霖爆殺事件1
posted by ippei_kagurazaka at 22:28| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。TB有り難うございます。
張作霖爆殺事件は河本大作大佐だということをまったく疑うことなくいました。もしこれが旧ソ連の仕業だとしたら、東京裁判が八百長だったことの証拠になるでしょう。
Posted by まさ at 2006年03月01日 22:38
拙文のご紹介有難うございます。
疑問の多い張作霖爆殺事件に、新しい光が当たり、非常に興味深いことだと思います。
まささんのおっしゃるように、東京裁判が八百長だったことを明らかにしていくものになる可能性があると思います。
Posted by ほそかわ at 2006年03月02日 09:58
コメントありがとうございました。
そもそも東京裁判が当時の戦勝国による見せしめ,茶番劇だったことは,一つの共通の認識であると理解しております。昨年の3月10日,東京裁判を傍聴した経験を持つ石原知事の定例会見での発言が印象的でした。「ジュネーブ協定に違反した我々(戦勝国側)が,この裁判を行う資格はあるのか云々」と問うた弁護士の冒頭陳述を最終的な記録から削除したという事実は,まさにその典型といえるでしょう。東京大空襲から60年目を迎えるにあたって,文化放送の高橋さんの質問に対する応えでの話でした。恥ずかしながら私はこの事実をこのときに初めて知りました。
張作霖爆殺事件の真実を明らかにすることは,その後の歴史における「常識」を覆す重要な部分に位置づけられるかと思います。帝国主義の時代,白人たちの思い上がり,有色人種に対する優劣を背景とした歴史を清算するきっかけにもなろうかと思いますし,そういう意味でもワクワクしてきます。
どこで見た記事か忘れてしまいましたが,中共の主張など,しょせんアメリカを中心とする白人たちの自らの行為を正当化するためのプロパガンダに乗っかっているだけに過ぎないという意見に賛成です。
Posted by I. Kagurazaka at 2006年03月02日 21:40
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