2006年01月26日

工学倫理教育についての模索

マンション強度偽装の話は,技術者の倫理をテーマにするとき語られ続けるのだろうか。例えばあの「チャレンジャー号の事故」のように。

大学でも「工学倫理」あるいは「技術者倫理」と称する教育がもはや不可欠なのだけれども,「技術者の倫理」でググるとたくさん出てくる。シラバスっていう,いわば授業概要というものが大学にはあって,ネット上で公開しているところも少なくない。これを見てみればたとえ「倫理」の専門家じゃなくても勉強して講義も色々と工夫されている先生方がたくさんおられることがよく分かる。もちろん講義を受けただけで十分だと信じている人はいないと思うが。
「工学倫理」とか「技術者の倫理」と称する大概の書籍は事故の例を挙げて倫理教育の題材にしているのだけれども,実はこの中で私個人的に気になったものを今日はここに留めておきたい。


君ならどうする? 建設技術者のための倫理問題事例集

その内容紹介のページはここ

なぜこれが気になったかというと,技術者の鑑として八田與一を取り上げていることにある。この方の功績はグーグルでもヤプーでもトップに来るこのページに紹介されている。一応リンクを張っておく。もしかしたらもしかするので。ちなみに八田與一の功績は私の大好きな本「台湾人と日本精神(リップンチェンシン)―日本人よ胸をはりなさい」や扶桑社の「新しい歴史教科書」にも載っている。特に前者は感動的だ。

要するに何を言いたいのかというと,工学倫理の教育にはこういう先人たちの功績をもっと積極的に取り上げても良いのではないかということである。もちろん過去の失敗や過ちに学ぶことは大切なのだけれども,精神衛生上よろしい物語が優れた人材を育てる上で大事な気がしてならないからだ。この際どうだろう。工学倫理の講義のはじめに,扶桑社版の「歴史教科書」と「公民教科書」を使ってみるのは。 的外れか・・・


そういうわけなので,精神衛生上よろしいというつながりで思い出した記事をここにひとつ。



【主張】パキスタン支援 「真心」は外交資産になる

十月八日に起きたパキスタン地震の被災者を支援した陸上自衛隊のヘリコプター部隊の本隊約百三十人が一日、北海道・帯広に帰還した。
十月中旬に現地入りし、約一カ月半にわたり、イスラマバード近郊の空軍基地から、約百三十キロ離れた同国北部のバタグラム地区に陸自ヘリ六機で約百回往復し、援助物資約四十トンと緊急患者など約七百二十人を運んだ。
パキスタン軍の現地旅団長は、「日本隊だけが休まず、毎日来てくれた」「物資を運んだだけでなく、村人に希望と勇気を与えてくれた。おかげで笑顔が戻った」と称賛したという。
支援のためにヘリを派遣した国は、日本に加え、米英独など六カ国だ。日本は「真心支援」と名付け、現地の人たちと同じ目線に立ち、住民の信頼を勝ち取った。イラク・サマワでの陸自の人道復興支援活動とも相通じる。誠実、勤勉な“自衛隊流”を率直に評価し、労苦をねぎらいたい。
今回の撤収は、現地も了解し、今後は自国軍が支援業務を担うが、震災からの復興はなお大きな課題であり、日本は最大限の支援を続けたい。
見逃せないのは外交の成果だ。ムシャラフ大統領が十一月十二日、陸自部隊を突然訪問し、「私をはじめ、パキスタン人は日本に特別の思い入れがある。日本は偉大な国であり、尊敬している」と述べた。現地の有力紙も報道し、両国のきずなは深まった。東アジアとの外交関係とは異なる南西アジア外交に日本がもっと目を向けるべきだということを示していないか。
一方、国際緊急援助隊法に基づく今回の派遣で、見直すべき課題も浮き彫りになった。陸自ヘリを運ぶ空自C130輸送機の航続距離が短く、途中給油を必要とするうえ、積載能力不足から、ヘリを解体・輸送しなければならなかったことなどが挙げられる。これでは迅速で大規模な支援が実施できない。長距離輸送機は他国に脅威を与えるなどの議論はもはや的外れだ。
防衛庁は航続距離を飛躍的に伸ばす新輸送機や空中給油機導入を決めているが、前倒しが必要だ。国際協力は自衛隊の本来任務とすべきである。
自衛隊をいかに有効に活用し、国際社会の平和と安定に協力するか。小泉外交の真価が問われている。

(平成17年12月3日付 産経新聞 社説より)



posted by ippei_kagurazaka at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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